その後の暮らし(前編)
注文住宅を建てようと訪れていた夫妻。建築家の岸本先生と代表が新たな試みを始めると聞いて飛びつきD’S STYLEオーナー第1号に。 入居から約10年。家と同じ年だという一人娘もこの家で10歳にまで成長。そんな気になる3人家族にその後の暮らしを伺いました。
倉庫みたいな黒い家。
夫:僕たちとしてはまだ土地も決まっていない状態で「岸和田スタジオ」に相談に行っていた頃ですね。代表から「こういうこと始めようと思うんですけど、どうです?興味あります?」と聞かれたのがはじまりでしたね。
妻:二人とも実家がこの近所でして、この辺りから離れたくなかったんです。
夫:でもこの近辺ってなかなか土地が出てこないんですよね…D’S CAFE99号で登場したSさんも友だちなんですが、彼らは土地が見つかるまで8年かかってますからね(笑)。
妻:だんじりなどもありますから、なかなか「この町から離れよう」という人がいないんでしょうね。
夫:この土地も元々は「建売の条件付きの土地」だったんですよ。それが、見ているとなかなか売れていなかったんで扱っている会社に「売れてないからいいじゃないですか?」と頼みに行って、どうにか条件なしで売ってもらったんです(笑)。
妻:プランは、岸本先生と代表にお任せって感じでした。
夫:壁だけは、「黒がいい」とお願いしました。あとウッドデッキも欲しいと。
妻:そうしたらウッドデッキの目隠しは、「ブロックを積んでおきましょうか」と提案があったんです。
夫:あのブロックに色がついているのは、僕らが後で塗ったんです(笑)。
妻:もう何回か塗り替えてるよね。初めはブロックそのままの色で使っていて、その後しばらく真っ赤に塗って…
夫:今の色にしたのは2〜3年前だったかな。
妻:うん、娘と一緒に塗ったんですよね。
夫:今でこそ増えてきましたけど、当時は「黒いハコ」みたいな家は珍しかったんですよね。建てている段階から「喫茶店でもできるの?」と近所の人から聞かれてました(笑)。
妻:SUUMOに初めて載った時も「黒い家」として紹介されたましたしね。
夫:僕たちの理想通り、倉庫っぽい家に仕上がったと思います。僕が輸入車を扱う仕事をしているもので、倉庫で車をいじったり、みんなで集まって遊ぶような文化が元々好きなんです。
妻:車もだけど好きなモノも似てるよね。
夫:僕らは、中学時代からずっと一緒だったんで、過ごしてきた時や触れてきたものも同じなんです。だから自然と好きなモノは似てるんでしょうね。
妻:住み始めた頃は、見学がかなり多かったんです。私からすると、もう何人も見学でお会いしてきたので、「ああ、この人たちは建てるだろうなあ」と想像がつくんですよね。
夫:やっぱり「この人たちは好きそうだな」と、わかるんですよね。
妻:次々と見学にいらっしゃってましたけど、私としては迎えるのは、そんなに大変でもなかったんですよね。私たちの場合、見学が来ても普段通りの状態を見てもらう感じで、特別片付けなんかもしませんでしたから。元々私も掃除が好きなタイプですし、普段から今くらいには片付いていますよ。
夫:モノもそんなに多くないほうですし、どんどん捨てますし。
妻:収納は、「見せる収納」ができるように、夫が壁に何かつけたり、いろいろやってくれますから。
後編に続く・・・